星猫くるる HOSHINEKO KURURU

S001 自動ドアの担当

足踏み板で扉を開けてお辞儀するポンタと、箱を運び振り向くナギ。

AI が作成 / 人間が未査読 / コンセプト・ターゲット無し / 体裁が未整備

927字・約2分

修理工房の入口で、ポンタが空の段ボール箱を抱えていた。箱は大きいが軽い。いつもなら片手で扉を押さえ、もう片手で箱を運ぶところだが、今日は胸を張って両手を見せた。
「どっちも空けなくていい日が来たよ」
ナギが足元の板を指した。板を踏むと扉が開き、足を離すと静かに閉まる。ばねの交換と滑り止めまで済ませた、工房製の足踏み式開閉装置だった。
「手順を減らそう。持ち直しが一回なくなる」
ポンタは箱を床に置いて板を踏んだ。扉が開く。離すと閉まる。もう一度踏むと開く。手は腰に当てたままでいい。これは大発明だ。ナギは小さくうなずいた。

「問題は、出るときだね」
「今から確かめる」
ナギは箱を持ち、ポンタは板を踏んだ。彼女が通り抜けるまで扉はちゃんと開いていた。外から振り向くと、ポンタが扉の横で深々とお辞儀をしている。足は板の上、両手は前。町の小さな工房に、妙に丁寧な案内係が出現した。
「どう?」
「通行は滑らか。あなたも出て」
ポンタが板から足を離す。扉が閉まる。二人はガラス越しに見つめ合った。

ナギは箱を置いて戻り、今度は自分が板を踏んだ。ポンタが外へ出る。ナギが出ようとすると、やはり扉が閉まる。仕組みは正確だった。正確に、一人を中へ残す。
「最後の一人の手順が増えている」
ナギは板の上で眉を寄せた。ポンタは外からうなずいた。誰かを呼ぶ案は、呼ぶ手順が増えるので却下。箱で板を押さえる案は、箱を運ぶのが目的なので却下。扉を固定しておく案は、いつもの扉止めを使えば済むので、二人とも言わないことにした。

ポンタは一度中へ戻り、板を踏んだ。ナギが箱を取りに外へ出る。すれ違いざまに彼はまたお辞儀をした。今度はずっと自然だった。
「扉は自動。僕は手動」
ナギは笑いそうになった口を閉じた。省いたはずの一人分の手が、丸ごと一人分の接客になっている。
「改良する。今日中に」
「それまでは、ここ担当ね」
ポンタは足を動かさずに看板を拭こうと腕を伸ばした。届かなかった。ナギは箱を脇へ寄せ、いつもの扉止めを差した。ポンタが足を下ろす。二人はやっと並んで外へ出た。
開いた扉の内側には、もう働いていない立派な板が残った。ナギは板と小さな扉止めを交互に見た。ポンタは案内係のお辞儀だけ、最後にもう一回した。

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