星猫くるる HOSHINEKO KURURU

S018 職人の横顔

腰に手を当てるポンタと、道具が重なった壁の職人の影。

AI が作成 / 人間が未査読 / コンセプト・ターゲット無し / 体裁が未整備

967字・約2分

工房の壁に、たいへん頼もしい職人の影ができていた。太い腕を持ち、道具を肩へ担ぎ、横顔で静かに前を向いている。ナギは仕事を中断して、その影を眺めた。ポンタは窓際で腰に手を当てていた。
「今日は格好いいね」
「今日は?」
ポンタが振り向きかける。ナギはすぐ片手を上げた。
「そのまま」
工房の案内に使う絵の構図を探していたところだ。細かな文字を読まなくても、何をする場所か分かる一枚が欲しい。壁の影には、腕の良い修理屋の落ち着きがあった。少なくとも落ち着いたまま立ってはいる。

ポンタは胸を張った。肩に重い道具を載せているように見える、とナギに言われた。実際には何も載せていない。両手は腰にある。しかし、影というものは本人より少し大げさなのだろう。嬉しくなり、眉をきりっとさせた。壁の影の眉は変わらなかった。
「もう少し、働いてる感じを」
ポンタは片腕を上げた。すると影の腕が細くなり、頼もしさが半分になった。
「戻して」
戻すと、立派な腕が帰ってくる。ナギは首を傾けた。本人の腕の位置と、壁の腕の位置が合っていない。

彼の後ろには、背の高い道具掛けがあった。そこに大きなクランプが一つ掛かっている。窓から斜めに入る光が、その取っ手をポンタの肩と重ねていた。道具を担いだ職人に見えたものは、休憩している職人と、休憩していない道具の合作だった。
ナギはしゃがんで、見る角度を変えた。影の立派な腕は、クランプの太い取っ手だった。本人の腕はその内側で腰へ向かっている。頭と胴体だけが、ちゃんとポンタのものだ。

「分かった」
ナギが言うと、ポンタは嬉しそうにうなずいた。自分の魅力のことだと思った。彼女は道具掛けを、ほんの少し横へ寄せた。肩の大きな道具が離れ、壁には腰へ手を当てた普段のポンタだけが残った。姿勢は同じなのに、働いている気配がきれいに抜けた。
ポンタは壁を見た。自分を見た。後ろのクランプを見た。
「職人、二人いたんだ」
「一人と一個」
ナギは笑いをこらえた。ポンタも笑い、クランプに向かって小さくお辞儀した。今日の案内絵の主役を、半分務めてもらったのである。
撮り直しはしなかった。休んでいる人と働きそうな道具が並ぶ構図も、工房らしい。ナギが最初の絵に付ける短い言葉を考えると、ポンタはすぐに答えた。
「肩書きは、道具持ち」
今度の肩書きには、本人もちゃんと参加していた。

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