星猫くるる HOSHINEKO KURURU

READING GUIDE

CE3では、どんなふうに世界を楽しめる?

カードアース・身体と食卓と配信から入る舞台案内

『カードアース』のシックス編に登場するCE3は、景色を眺めるだけでなく、床の冷たさや料理の味まで身体に届くオンラインゲームです。ただし、そこにいる全員が同じ感覚を受け取るわけではありません。七草がゆを食べる人、画面越しに料理を作る人、その驚きを配信で見る人。同じ広場や食卓に、違う入り方が重なっています。最初の目覚め、料理、ライブ配信を手掛かりに、この舞台で何ができるのかを見てみましょう。

歩くところから始まるゲーム

CE3は「カードアース3」の略称。三世代のゲームを舞台にする物語のうち、シックスが入る世界です。最初に待っているのは、強敵との戦いではなく、白い部屋で立ち上がること。足を床に下ろすと冷たさが届き、机をつかむと硬さが返ります。見えている景色と、身体が受け取るものを、読者も一つずつ確かめられます。

シックスは「からだ合わせ」の案内に従って三歩歩きます。歩幅や重心が調整され、遠かった床が素足の距離になる。ゲーム内の身体は、選んだ見た目を眺めるものから、動かして馴染ませるものへ変わります。現実の身体と同じである必要はありませんが、自由に動くには慣れが要るのです。

同じ場所に、違う入り方がある

シックスは全身で世界を受け取る「体感勢」。一方、サナナはPCの画面と音で参加し、手袋型の触覚デバイスを使います。手をつなぐ場面でも、シックスには相手の握力が届きますが、手袋側は握り返される力までは作れません。同じ行動をしていても、二人が感じていることは違います。

好きな姿で参加できることも、この舞台の楽しさです。翼のあるマイは空から現れますが、着地はまだ危なっかしい。翼は飾りや衣装ではなく、動かし方を身体に覚えさせるものとして描かれます。見た目が変わる楽しさと、思いどおりには動かせない戸惑いが、ひと続きになっています。

料理は、作る楽しさと食べる感覚

七草がゆは、サナナが調理のミニゲームで作ります。シックスには米の甘さ、草のほろ苦さ、喉を通る熱、腹に落ちる感じまで届く。けれど、その日のサナナは味の道具を使っておらず、見た目を楽しむだけです。「ゲームで食べる」といっても、全員の体験が一つに揃うわけではありません。

ひな祭りのちらし寿司では、同じ調理ミニゲームにも違う手つきが現れます。アーネの酢飯を切る動作や卵を散らす間合いは、ゆっくり丁寧。操作の積み重ねが、アバターの所作にも表れると説明されます。料理を完成させるだけでなく、その人らしい作り方を眺め、誰かと囲む時間も楽しめる世界です。

感じたものを、画面の向こうへ届ける

配信の入口はゲーム内のスマホです。限定録画を始め、編集し、動画を公開するところまで、ゲームから出ずに進められます。現実の動画サイトへは公式ゲートを通してつながりますが、ゲーム内から相手の現実の端末や本名を見られるわけではありません。現実と接点がありながら、相手の裏側を知ることとは分かれています。

体感の記録は、PCやスマホで見られる平面動画にもできます。サナナはシックスの周囲を記録した映像から画角を整え、見せたいところを選びます。視聴者へ床の冷たさや腹の温かさがそのまま届くわけではない。それでも景色と反応から、楽しさは伝わる。初ライブではコメントが会話に混ざり、見る人も場面のにぎわいを作ります。

ここでは、戦う以外にも、歩く、作る、食べる、集まる、見せることができます。まずは「何ができるか」と一緒に、「誰には何が届いているか」を追ってみてください。現実側の素性を急いで確かめず、目の前の声や手つきに注目すると、CE3で過ごす時間の面白さが近づいてきます。

見どころ三つ

  1. 三歩で床が近くなる:最初の「からだ合わせ」。足の裏の距離が変わる描写から、身体で入る世界の始まりを味わえます。
  2. 七草がゆの味が、二人で違う:同じ椀を前に、シックスは腹まで温まり、サナナは見た目を楽しむ。接続方法の違いが会話の中で分かります。
  3. 初ライブの広場に声が集まる:実況とツッコミ、マイの着地、視聴者のコメント。配信画面とゲーム内の出会いが、一つの場面をにぎやかにします。

作品と人物への入口