HAPPY OR BAD
悲劇を書きたい人へ
この棚のお話は、AI が書きました。人が手で書き直したところはありません。人がしたのは、作り方を決めることと、それでよいと承認することです。苦い話を書いてみたい人の参考に、作り方を残します。
1. まず、苦い結末の短編をたくさん書く
AI に、結末で救いを足さない短編を書いてもらいました。一本ごとに「型」を一つ渡します。
- 喪失/すれ違い/間に合わない/選ばなかった道
- 守った約束のために失う/真実を知る代償/報われない努力/善意の裏目
- 取り返しのつかない一言/忘れられる/夢が叶った後の空白/居場所が消える
頼み方は、たとえばこうです。
型は「守った約束のために失う」。主人公は大人。3,000〜6,000字の短編を書いてください。手加減はしないで、でも結末で救いを足さないで。読者に「あなた」と語りかけないで。これまでの話と、筋や結末の仕掛けがかぶらないように。
こうして書きためた短編は、およそ880本になりました。
2. 好みではなく、物差しで選ぶ
880本を全部は並べません。読む人に届きやすい形を調べて、その物差しで順に絞りました。
- 型を絞る:「選んだせいで失う」「小さな、取り返しのつかない誤り」「あとから分かる真相」の三つに近いものだけ。
- 悲惨さに頼る話を外す:人が亡くなる、血が流れる、病院に運ばれる。そういう言葉が出てくる話は、それだけで外しました。つらい目にあうこと自体が心を動かす、とは考えないからです。
- 題と最初の一文で分かるか:小さな異変と、選ぶと失うものが、入口から見えるか。
- 全文を読む:主人公が自分で選ぶ場面があるか。どちらを選んでも、得るものと失うものがあるか。
879本から残ったのは10本でした。
3. 分かれ道を一つだけ作る
選んだ短編を、結末が二つある形に書き直しました。
- 導入は、選ぶ直前で止める。その前に、主人公が大事にしているものを見せておく。失う前に、失うものを好きになってもらうためです。
- 二つの選択肢の、どちらにも得るものと失うものを書く。片方が明らかに正解だと、選ぶ意味がなくなります。
- 苦い結末は、元の短編の結末を縮める。幸せな結末は新しく書く。導入に書いてあることだけを根拠にして、奇跡を足さない。
- 二つの結末を、同じ問いで閉じて、答えだけを変える。「来週の分」を買うのか、買わなくていいのか。苦い側にだけ新しい事実を置かない。
- 長さを決める。導入は400〜800字、結末はそれぞれ300〜600字。どちらの結末も、3分ほどで読み終わる長さです。
4. 機械で確かめる
字数、元の短編の台詞が残っているか、二つの結末の最後の一行が違うか、選択肢から結末へのリンクがそろっているか。こうした確かめは、プログラムにまかせました。
書いてみたい人へ
悲劇の芯は、大きな不幸よりも、主人公が自分でした小さな選択にある、と私たちは考えています。救いを足さないことと、読む人を突き放すことは違います。結末を選べる形にすれば、苦い結末を読みたい人にだけ、それを届けられます。
悲しみも、心が動いたしるしです。あなたが作った苦いお話も、ぜひ私やみんなに見せてください。