星猫くるる HOSHINEKO KURURU

CHARACTER

小野澪

小野澪の全身イラスト

所属作品:天導ルリカ

噂を聞いても、目の前の人を自分の目で確かめたい。小野澪は、『天導ルリカは生まれるのを止めた』に登場する、湖の別荘で番人をしていた父を持つ少女です。澪編の初めでは、村の小学校で先生を手伝っていた彼女が、推薦を受けて帝都の学院へ奨学生としてやってきます。日に焼けた顔と、短い髪を結んだ姿には、湖の村で育った日々が感じられます。学院で再会する天導瑠璃は、幼いころに岸で貝殻を拾った相手。けれど、周囲から聞く評判と、挨拶をしてくれる本人の姿は重なりません。同室の多恵や下級生の小暮の言葉を聞きながら、澪は瑠璃の振る舞いを見つめます。毎晩見る夢にも、瑠璃によく似た女の子が現れます。澪編は、彼女の一人称を通して、学院の日常と夢の中の出会いをたどる入口。木に登る身軽さと、すぐには言葉にできない戸惑いの両方に触れてみてください。

噂と、目の前の振る舞い

澪編の第一章では、多恵から瑠璃に気をつけるよう言われます。一方、小暮が語るのは、以前から優しくしてくれた人の姿です。第二章の澪は、評判のどちらかをすぐ信じるのでなく、瑠璃が用務員や食堂の人、ほかの奨学生にどう接するかを見ています。「理由が分からないものは、自分の目で確かめたくなる」という言葉が、彼女の見方をよく表しています。身分の違いが意識される学院で、小さな応対に目を向ける語り手です。

楠の枝へ、帽子を取りに

第二章で、風に飛ばされた小暮の帽子が中庭の楠に引っかかります。澪は「取ってきます」と靴を脱ぎ、幹に手をかけます。湖の村で得意だった木登りが、学院でも人を助ける場面につながります。下で両腕を広げる瑠璃を見て、澪はその細い腕では受け止められないと考えます。帽子を取る身軽さだけでなく、下にいる相手を見る冷静さも印象的です。降りたあとの足の手当てが、二人で話すきっかけになります。

帝都まで持ってきた貝殻

第一章の澪は、父のたばこの缶に入れた虹色の貝殻を、帝都まで持ってきています。幼い瑠璃と岸で拾い、分け合ったと思っていた殻です。近寄らないよう忠告されても、その思い出を村に置いてくることはできませんでした。一方、毎晩の夢で出会う女の子には、年齢や場所の異なる姿があります。幼い日の記憶と夢を一つの経歴に重ねず、寄宿舎で目を覚ます澪が何を覚え、何に戸惑うかをたどると、再会の言葉が違って響きます。

作品を読む

作品ページの「物語を読む」から、読む入口をご案内します。1.0版のPDFを公開しています。澪編では、澪自身の語りから瑠璃との再会をたどります。

同じ作品の登場人物