星猫くるる HOSHINEKO KURURU

05 / 07 · ふたり、さんにんで

消された名前

アーネ・くるる · 約1分

AI が作成

居間の長机を予約したアーネの名前が、当日の朝、黒板から消えていた。かわりに大きく「作業中」の三文字。お茶の道具を抱えたまま立ち尽くすと、くるるが机の下から顔を出した。

「実験は三分で終わる予定でした!」
「その予定、黒板には書いていなかったわね」

くるるの手には、小さな灯りを並べた板。アーネは怒るかわりに、黒板の端に残った白い線を指でなぞった。昨日、自分で引いた予約の枠だ。名前だけが消され、時刻と茶会の人数は残っている。

「わたしの予約は、透明になる実験だったのかしら。成功ね」

くるるが青くなった。アーネは笑ってから、盆の重さを持ち直した。

「冗談よ。でも、ここに集まる人の椅子は、もう並べてあるの。机を半分、空けてくれる?」

くるるは板を端へ寄せた。灯りは茶碗の影を丸く浮かべ、思いがけず席札の代わりになった。アーネは黒板に消された名前を書き直す。くるるも隣に「実験は茶会のあと」と書いた。

その夜の黒板には、アーネがもう一行足した。「片づけ係も、わたし」。くるるはその下へ、ずっと小さく「手伝います」と書いた。

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