星猫くるる HOSHINEKO KURURU

04 / 07 · まずは、ひとりずつ

消えない灯り

くるる・ルリカ · 約1分

AI が作成

くるるが居間に付けた自動消灯の装置は、朗読の一番静かなところで灯りを消した。声も動きも止まる場面を「誰もいない」と判定したのだ。読んでいたルリカは暗い紙を見下ろす。

「星猫ルリカの間まで消されましたわ」
「すぐ直します。動きを拾う時間を長くして……」

くるるは装置の横に貼ったメモを見た。「静かなら消す」。その下には、試験のとき自分で書いた小さな注意がある。「本を読む人は動かない」。分かっていたのに、試す順番から外していた。

「ルリカさん、もう一度、同じところを読んでもらえますか」
「二度目は灯りをお願いしますわ」

くるるは設定を書き換える前に、壁の手動スイッチへ赤い札を付けた。札には「読む人が決める」と書く。朗読の間は、ルリカが自分で灯りを残せる。自動装置には、誰もいない時間をもっと長く確かめさせた。

二度目の朗読で、部屋は暗くならなかった。くるるはうれしくて拍手しかけたが、ルリカの間がまだ続いていると気づき、手を止める。

終わってからの拍手は、さっきより大きかった。赤い札は翌日もスイッチに残る。くるるは装置の説明の最後へ一行足した。「静かな人も、ここにいます」。

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