星猫くるる HOSHINEKO KURURU

02 / 07 · まずは、ひとりずつ

右ではなく左

ピヨ・オタク君 · 約1分

AI が作成

ピヨはゲームで十回、同じ穴へ落ちた。「右へよけて」と言われて右を押すのに、画面の人物は左へ走る。

「ピヨ、右を押してる」
「画面では左だよ」

オタク君が手元を見た。コントローラーには『左右を入れ替えた』という付箋が残っていた。昨日、ボタンの効きを試すときに、二人で貼った紙だ。戻すのを忘れていた。

「意識して逆を押せば?」
「間違えたのはピヨじゃないのに?」

ピヨは一度ゲームを止め、設定画面で左右の入力を確かめた。入力が逆に登録されている。付箋だけはがしても、また同じ穴へ落ちるところだった。

二人で設定を戻し、画面の右と手元の右が一致するまで試した。オタク君が「これなら」と言いかけたところで、ピヨは自分で再開を押す。

次の穴では、右へよけられた。その次で、敵にぶつかって負けた。ピヨは笑わないオタク君を横目で見た。

「いまのはピヨのミス。こっちは悔しい」

翌日、コントローラーに新しい左右の札がついた。札の字を書いたのはピヨだった。

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