星猫くるる HOSHINEKO KURURU

03 / 10 · 選んだ結末 · バッド

新聞の終わり

バッド:新聞の十秒で出す

客のいない卓で新聞を片づけるミア

ミアは送信した。
最初の週末、店の外に三人が並んだ。次の水曜には十二人来た。新聞を読むところを聞きたい、と遠くから来た人もいた。静江は困った顔をしたが、礼を言って見出しを二つ読んだ。屋根の封筒は日ごとに厚くなった。

四時の卓には《予約》の札が立った。札を見た客が「新聞の席ですね」と言った。
澄が入口に立つと、奥で声が上がった。「本当に来た」
澄は港の記事について、一言も話さなかった。鍋の広告まで行く前に、「今日はここでいい」と言った。

次の水曜、澄は来なかった。駅の薬局で会ったとき、澄は笑った。家で、大きくなる画面で新聞を見ているの。便利よ、と。ミアは、何を失ったのかを言えなかった。言えば、便利になったという澄の返事まで否定する気がした。

屋根は十一月に直った。静江は新しい天井を見上げて、ミアに礼を言った。

新聞のいちばん後ろには、日用品の広告があった。静江はそこまで読む前に、客に呼ばれた。そのあいだに、アルバイトが紙を畳み、卓を拭いた。
いまは誰も待っていないので、新聞は途中で畳める。

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